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日本の無条件降伏と、バイデン発言に対する岡田代表の反発が示すもの

f:id:tanizakitw:20160903070201j:plain(調印の行われている戦艦ミズーリ上空を飛行する米海軍艦載機の編隊。1945年9月2日東京湾。)

1945年9月2日、東京湾に停泊した米海軍戦艦ミズーリの艦上にて、日本政府は降伏文書に調印した。調印式に合わせて、上空では米海軍艦載機の大編隊が飛行し、アメリカによる日本の占領という現実を見せつけた。調印式で連合国側の署名を行ったマッカーサーは、米大統領トルーマンの委任を受けて日本統治を開始する。そのマッカーサーが日本にGHQ憲法草案を突き付けるのは、この調印式から半年も経たない2月13日のことである。

GHQは日本の軍事的な解体を徹底するための政策の一環として、戦争放棄条項を含む日本国憲法の制定を日本側に強要する。GHQ草案には西洋式の憲法形式に則って、憲法前文が含まれていたが、この前文を筆頭に全体的に文学作品のような文体にて記述されており、当時の日本政府は非常に戸惑うと共に、連合国側の押し付けにかなり批判的であった。しかし、この憲法草案を受け入れないなら天皇の一身は保障できないと脅され、そうでなくともアメリカに全面的に隷属していた日本は要求を受け入れる以外に選択肢はなかった。もとより、敗戦によって軍の解体はやむを得ないという認識もあり、いずれにせよ、武装解除された日本にはアメリカに反抗する余地など微塵もなかったのである。

このような現実を経て、日本国憲法は制定された。先日、アメリカのバイデン副大統領が「我々が日本の憲法を書いた」とする発言をしたが、民進党の岡田代表はこのバイデン発言に反発し、発言を「不適切」などと指摘した。日本国憲法GHQによる押し付けだったという事実に反発するものだった。

そもそも、岡田氏は以前より、安倍総理に対して、「日本国憲法GHQによる押し付けだったとする認識を改めなければ、改憲論議に応じない」などと要求していた。だが、先ほど見たように日本国憲法GHQ主導で制定されたのは歴史的事実であり、今回のバイデン発言に対しても岡田氏は「発言は嘘だ」とは言えないのである。したがって、岡田氏は日本国憲法の制定をGHQが主導していたという歴史的事実を否定できないにも関わらず、安倍総理に対して「認識を改めよ」と強要していたことになる。歴史認識を誤っていたならまだ弁解の余地はあるが、岡田氏はGHQの押し付けを否定できない立場でありながら、他人にはこれを否定せよと強いていたのである。しかも、国民の権利である憲法改正と引き換えに、このような取引を画策したのであり、この行為は極めて悪質である。

ミズーリ艦上での降伏文書調印から71年経つ。日本の無条件降伏とその後行われたGHQの日本統治は動かしようのない歴史的事実である。岡田氏のように、この歴史的事実を認識しつつもそれを否定しようとするのは、世間を欺く行為であり、ましてや野党第一党の党首がこうした欺瞞を働くのであれば、彼のような人物を筆頭に掲げる護憲派勢力の主張は、説得力を欠くどころか、ますます信用が失墜するのである。

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