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憲法97条の削除とメディアの嘘、自民党憲法改正草案

マスメディアの置かれた立場というのは、国家権力を監視するという役割を担うものでもあるから、たとえば今日の憲法改正論議でも与党の改正案を批判するのはメディアとしての自然な職務である。しかし、その批判が全くの嘘に基づくものであるなら、その批判には価値がないばかりか、メディアとしての信頼を失うことは常識である。しかし、昨今のマスメディアを見ていると、この常識を彼らメディアは理解していないのか、なりふり構わずの嘘の横行が目に余る。しかも、その嘘を用いて世の人々を要らぬ不安に陥れ、その不安を利用して自らの望む世論に誘導しようというのだから、単なる嘘つきのオオカミ少年どころではなく、むしろまったくの社会の迷惑と成り果てており、世間の人達には潰れれば良いなどと、後ろ指を指される始末である。このようなメディアには信頼も何も無いのだから、もはや国家権力を監視する機能も持ち合わすことはなく、ひたすらゴミのような情報を垂れ流すに終始するゆえ、ネット社会でマスゴミなどと揶揄されるに至るのは当然である。近年では、とくに若い世代に於いて、テレビや新聞といったマス媒体よりもネット利用の時間が長くなり、それゆえ選挙権を18歳に引き下げた初の選挙である先の参院選は、若い世代のメディア離れを反映して、もはやかつてのようなメディアによる世論誘導が効かぬことを立証したのである。メディア各社が、これを単にネットという新たな娯楽への大衆の移動と解釈してしまうなら、今後メディアはますます利用客を失うどころか、若年層を取り込むことに失敗を続けるゆえ永久に顧客を失うのである。つまりこのままでは、メディアは本当に潰れることを避けられなくなりつつあり、その原因は単なる娯楽の移動ではなく、メディアによる嘘に利用者が飽き飽きしてきたこと、メディアの利用価値を見いだせなくなったこと、つまりはメディアの質の極端な劣化ゆえの、メディアに対する信頼の失墜が原因になっていることを、彼らは知るべきである。
さて、有りもしない事実を煽って世の人々の不安を扇動し、そのゴミ情報をさらに買わせようとするのがメディアの常套手段ということであるが、今日、繰り返しこれら扇動メディアに登場する話題の一つに、憲法第97条がある。これは、自由民主党日本国憲法改正草案で、憲法97条が削除されていることを理由に、ありもしないことを述べ、世の中を感情的に扇動している問題である。この97条というのは、国民の基本的人権を規定したものであるが、自民党案では確かにこの条項は削除されている。だが、そもそもこの97条の基本的人権は、憲法第11条に規定されている基本的人権条項の重複なのである。つまり11条と97条の両方で基本的人権条項があり、自民党案はこの重複を解消し11条の条項に統一、また基本的人権憲法前文に追加するというものである。したがって、自民党案で憲法から基本的人権が消えるというのは全くの嘘であり、ミスリードであり、デマである。
それなのに、メディアは恥ずかしげもなく「自民案を通せば憲法から基本的人権が消える」と扇動しているのである。さらには「この事実を知る人が少ないことが、最大の危機である」などとして世の人々の不安を追い打ちをかけている。しかし、日本国憲法基本的人権条項が重複していることは、憲法原文を確認すれば、誰にでも即座に判明することである。それ以前に、基本的人権を抹消した憲法草案が国会に提出されることなど、常識的にありえないことである。自民党案にせよ他の政党の案にせよ、憲法草案はその後国会の審議を経るのであり、国民の基本的人権を抹消した非常識な憲法草案を国会審議に持ち込んだところで改憲の発議に至るわけがなく、その政党はただただ、国民の信頼を失うだけであり何のメリットもない。このように、メディアは常識を無視して、ありもしない危機を煽り、人々の不安に訴えるのである。
さらに、メディアはこのような嘘が判明しても、何の責任も問われないので、またさらに次の嘘をつく。この繰り返しがメディアの劣化を招いてきたのであり、今さらこれを軌道修正しようとしても、既に社内にこのうそつき体質が蔓延し、嘘をやめて誠実に記事を書くなど不可能なことであろう。したがって、今後ますますメディア離れが加速するのは確実であり、改憲論議に於いても、メディアによる必死の世論誘導はますます世の中に見透かされ、見放されるのである。
なお、この97条の重複であるが、この97条というのは憲法の制定時に、GHQ民政局長のホイットニー陸軍准将が執筆した条項であった。日本政府は11条との重複を指摘し、GHQに97条の削除を嘆願したのであるが、民政局長が直々に書いた条項ということでGHQの了承がなかなか得られず、下手に粘ると他の関係のない問題をGHQに蒸し返されかねないという懸念から、「重複する分には大きな問題はないだろう」として民政局長の顔を立てたのである。したがって、日本政府としては、97条は70年前にそもそも削除するつもりの条項だったというのが歴史的事実である。

tanizaki.hatenablog.com

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